chapter 2  植物の美しい力


ハーブのある暮らし

ハーブノート

「薬草」という視点で、身近な植物を描きました。

 

葉茎や種子を食べるものから花の香りを楽しむものまで、地球上には数えきれないほど多くの薬草が存在します。

アルプスの氷河から発見された5千年前の冷凍ミイラから、彼らが動物の肉と一緒にハーブを食していたことがわかりました。

味や香りを気にしていたのでしょうか、それともバランスよく美味しくするためだったのでしょうか。

 

人類は深い興味を持って、薬草を日々の生活に利用してきました。

 

刺身のツマに、青じその葉やヤナギタデの赤芽や大根のケンなどがついています。いずれも毒を消し、消化を助ける薬草です。

ハーブティーやコーヒーで気分転換をしたり、バラやヘチマを化粧水にしたり、漢方薬で体調を整えたり、

生活にハーブを取り入れている方も多いことでしょう。

 

私は収穫したハーブを毎日の生活で大切に使っています。

深呼吸して胸いっぱい香りで満たし、口に含んで味わえば、

季節の移ろいとともに在る植物の生活のリズムに思いを馳せることができます。

 

さあでは、ローズマリーのビスケットでお茶にしましょう!

 植物をいただきましょう!


ローズマリー 葉枝を料理、お菓子、ティー、入浴剤に。精油に

       老化防止の成分があり若返りのハーブとして知られる。

ラべンダー   花、葉、茎を香料、入浴剤、ポプリに。 

ミント     花、葉、茎を料理、ティー、化粧品、医薬品に。

スズラン    有毒植物だが、薬効もある。花は香水に。

フキ  葉柄は煮物、花茎は焼いたりフキ味噌にして食べる。

タンポポ 若葉を茹でて食用に。根を乾燥後煎じて飲む。焦がし

       たものをコーヒーの代用に。

ヨモギ 若葉を餅に、茹でて和え物、天ぷらに。乾燥させたものを

      煎じて飲む。綿毛を集めたものがモグサ。

ベイ(ローリエ)  葉を料理に。防虫効果があるので米の容器に

      入れておくと虫がつかない。

センテッドゼラニュウム  花、葉、茎を入浴剤やポプリに。

カモミール     花をティー、料理、化粧品に。

 

 

 

 


ドクダミ  全草を花期前に採り、乾燥させたものを十薬といい、

        煎服する。 

キキョウ  根、若芽は食用、いずれも茹でて十分に水にさらすこ

        と。根を日干しにて煎じたものを薬用に。

ユキノシタ 葉を茹でたり天ぷらにして食用とする他に、民間薬と

        して用いる。

ホオヅキ  根茎を乾燥させ咳止めに、果実を塩漬けまたは生食。

ラムズイヤー  ドライフラワーとして。

アカツメクサ  たんぱく質に富む優れた牧草。花をティーに。

リンドウ   根を乾燥させたものを龍胆とよび健胃剤として                                           用る。

ゲンノショウコ 全草を干して下痢止め、冷え性に。現証拠の名

           由来は飲むとすぐ効果が現れるため。

 

ボリジ    葉は野菜と同じように食す。花はそのままか砂糖漬

         けにしてデザートに。

ワスレナグサ 観賞用。花をサラダの飾りに。

スミレ    若葉を摘み、茹でて漬け物、和え物、汁の実など

         に。乾燥させ煎じて関節炎に。 


ブラックベリーとワイルドストロベリー  フルーツティー、

         サラダ、デザート、リキュール、ジャムに。

マロウ     花をティーに。

ナスタチウム  葉、花をサラダやサンドイッチに。若い種を薬味に

ユーカリジュ 樹皮葉を薬用に。葉を蒸留して得るユーカリ油は薬

        香料、駆虫剤として用いる。

 

   

フェンネル(ウイキョウ)  花、葉、種を料理やティーに。

                古代ギリシャ人はダイエットに利用

                していた。魚との相性がよいことか

                ら魚のハーブともいわれる。

パセリ         葉、茎を料理に。

 

ショウガ   香味野菜として用いる。根茎を乾燥させたものを                                        薬用に。

ニンニク  刻んだりすりおろすなどして香辛料、薬用に。

                                       花茎を食す  。

チリペッパー 未熟、完熟のものを料理の調味料や素材として。

タマネギ  鱗茎と若葉を食用とする。生食をはじめ料理の

          用途は広い。

スダチ   幼果はすりおろして薬味に。緑果の果汁は刺身、

          焼魚、鍋物に。

ミョウガ   若芽と花茎を料理の薬味や汁の実、天ぷらなどに



ハーブ染め

ハーブの利用法の一つに染色があります。

プロのようにむらなく染めるのは難しいので、そのときどきの色を楽しみます。

フェンネル、マリーゴールド、ヨモギ、そしてブラックベリーの実やブドウの皮、タマネギの皮も使います。ベージュ、カーキ、パープル、黄金色、茶色。

天然素材からとった染料で染めると、どれも目に優しく温かい色ばかり。

2~3色を縞模様に編めばアースカラーのマフラーのできあがり。